【創研ジオラボの創設にあたって】

○背景
 建設業界は日本のインフラ整備を支える重要な産業ですが、近年、深刻な人材不足に直面しています。特に「地質技術者(地質屋)」の不足は、地盤調査や設計の品質に直接影響を及ぼし、社会インフラの安全性を脅かす要因となっています。さらに、技術者の高齢化や若手人材の減少により、技術の継承が困難な状況が続いています。
○地質技術者の重要性
 日本は地形・地質が複雑で、豪雨や地震などの自然災害が多い国です。そのため、防災やインフラ整備において、地盤を正確に評価できる地質技術者は設計・施工の根幹を支えており、非常に重要な役割を担っております。例えば、地質技術者の地表地質踏査技術は単に数式や基準書を読むことで得られるものではなく、野外での経験が非常に重要で、専門性が高く代替えが難しい技術の一つと言えます。

○課題
 1. 地質技術者の慢性的な不足
  少子高齢化や地学教育の減少に就職先の多様化も加わって、全国で地質技術者の絶対数が慢性的に不足しています。そのため、地質調査はインフラ整備の基盤となる重要な業務ですが、専門技術を持つ人材の確保が難しく、特に地方の地質技術者不足が顕著で、工期遅延や品質低下のリスクが高まっています。
 2. 技術継承の停滞
  ベテラン技術者の引退が進む一方で、若手技術者の育成が追いついておらず、業界全体で技術力の低下が懸念されています。その中でも、地表地質踏査技術のような専門性が高く個人の技量に大きく左右されるような技術の継承は特に問題となっています。
 3.学びの環境不足
  地質学分野の専門性や特異性の問題もあり、地質技術の研鑽のためのOFF-JT研修プログラムは決して充実しているとは言えず、各人で地質技術を高めようとしても、国内環境が整備されていないことが問題となっています。また、主に地方の建設コンサルタントにおいては、生産性(利益)や調査目的が最優先されるために、設計・施工に必要な地質情報や工学的情報以外は不要ととらえられている場合が多いのが現状です。そのため、例えば地質調査で実施したボーリングコアから地質学的に貴重な発見があった、もしくは、ありそうであると判断されたとしても、時間かつ予算的な制約もあり、それらが研究され学会誌等に公表される機会にめぐまれない状況が多数存在しています。残念ながら、このような状況は、地質学を専門として学んできた地質技術者から地質学への寄与度を減少させていることになり、結果として、地質関連の学会活動や建設コンサルタント業界への魅力を低減させている要因の一つとなっていると考えております。

創研ジオラボは、これらの課題を解決するために創設されました。


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